[委員会]令和8年9月総務警察委員会
♦ 特殊詐欺防止について
【質問】 先ほど、特殊詐欺防止緊急対策事業として1,500万円が決定されました。最近、私の自宅にも「NTTです。料金の支払いが滞っているため、まもなく電話が止まります。確認する場合は1番を押してください」といった自動音声の電話がかかってきました。明らかな詐欺電話です。自宅では留守番電話を設定していますが、自動音声による詐欺まがいの電話が頻繁に録音されています。多くの家庭にも同様の電話がかかっているのではないかと思います。また、SNSやLINE、メールを通じて、投資を勧誘する文章も頻繁に届きます。私は絶対に返信しませんが、巧みな内容であるため、若い方々が被害に遭うのも理解できます。
このような特殊詐欺は絶対に許せない思いです。奈良県では、昨年度535件、被害額58億円で、人口当たりの被害額が全国ワースト1位で厳しい状況です。本年も、8月末時点で認知件数は395件、前年同期比18.3%増、被害額は約47億円、前年同期比61.1%増となっています。昨年度を上回る深刻な状況であり、非常事態宣言が発令されたことも理解できます。特殊詐欺の発生状況と、被害防止に向けた県警の取り組みについて、生活安全部長に伺います。
【生活安全部長】 委員がお述べのとおり、本年8月末現在の認知件数は395件で、前年同期比61件の増加、被害総額は約46億6,810万円で、前年同期比約17億7020万円の増加となっています。件数、金額ともに前年を大幅に上回り、上半期における1人当たりの被害額も全国ワースト1位で、極めて深刻な状況が続いています。
特に、警察官などをかたり、捜査を名目に金銭をだまし取る「偽警察詐欺」、息子などをかたり、トラブルの示談金名目で金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」、SNSを通じて「絶対にもうかる」などと投資を持ちかける「SNS型投資詐欺」が増加傾向にあります。手口は日々変化しており、電話だけでなく、携帯電話やSNSを通じた被害も急増しています。被害者層も若年層に広がり全年齢層に広がっています。
県警察では、電話対策に重点を置き、犯行に利用されることの多い国際電話の利用休止の申し込みや、警察庁推奨の特殊詐欺対策アプリのインストールを進めています。また、特殊詐欺の発生状況や最新の手口について、奈良県警察の安全・安心アプリ「ナポリス」をはじめ、各種媒体を活用して情報発信に努めています。
危機的な被害状況に歯止めをかけるため、今月15日、県、県警察、県金融機関防犯協議会の連名で非常事態宣言を発令しました。これを契機に、県民の皆様と危機感を共有し、関係機関と連携した被害防止対策を進めるとともに市町村や民間事業者等とも連携し、戸別訪問や商業施設での啓発活動を通じ多くの方に働きかけを行い、注意喚起にとどまらず、アプリのインストールを支援するなど、一歩踏み込んだ実効性のある対策を推進します。金融機関やコンビニエンスストアには、積極的な声かけと警察への通報により、被害を阻止していただいていることから、今後も情報共有と連携強化に努めます。
県警察としては、犯人からの接触手段の遮断と情報発信の強化を柱に、県民の皆様が被害防止対策を自ら講じていただけるよう働きかけます。また、実行犯にとどまらず、徹底した捜査によって中核的人物を検挙し、特殊詐欺グループの壊滅に向けた取り組みを強化するなど、被害防止と犯人検挙の両面でこれまで以上に取り組みます。
【要望】 犯人からの接触手段の遮断と情報発信の強化は、非常に重要です。改めて県警察には、特殊詐欺対策に全力で取り組んでいただくよう強く要望します。市町村が取り組む防犯電話についても、県警察と連携して推進していただきたいと思います。また、口座情報を共有して出金前に口座を凍結・摘発する「京都モデル」など、迅速な取り組みも進めていただきたいと思います。
県警察では「ナポリス」の登録促進にも取り組んでいます。奈良交通がフランチャイズ展開するミスタードーナツでも啓発活動が行われています。また、奈良大学では、学生の目線での啓発チラシが作成されています。また霊山寺や宝山寺の駐車場などでも、県警察による啓発活動が行われているのを私自身目の当たりにしています。このようにさまざまな取り組みが進められておられる中でも、被害は増加しています。今後は、さらに取り組みを強化するとともに、関係機関との連携をより一層進めていかなければならないと思います。
本部長の就任時、事件や事故による被害を生まないためにも、重要犯罪の検挙、サイバー事案や大規模災害の対処など、警察が対応すべき課題にして、様々な関係者と連携してしっかりと取り組んでいきたいというコメントをされましたし、この本議会の代表質問でも、本部長の改めての決意をお伺いしたところです。県民の安全・安心を守るため、県警察には引き続き全力で取り組んでいただきたいと思います。 また、先日、地域の敬老会で、県内では昨年度535件、被害額58億円、人口当たりの被害額が全国ワースト1位であることをお伝えしました。参加された高齢者の方々は大変驚いておられました。若い方々が集まる場でも、SNS型投資詐欺の被害が多いことを伝えると、驚きの声が上がりました。県民に危機感を持っていただくための啓発は非常に重要です。私たちも、情報を届けるネットワークの一役を担えるよう情報を届ける仕組みの構築に尽力して参りたいと思います。県警察には、さまざまな場面で啓発と連携をさらに進めていただくようがんばっていただきたいとお願い申し上げます。
♦ 災害減災対策について
【質問】 政府の地震調査委員会は、近畿地域で今後30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が発生する確率を50~60%とする活断層の長期評価を公表しました。最も高い地震発生確率3%以上のSランクが3区間から 9区間に増えています。奈良県内では、奈良盆地東縁断層帯の南部区間約35キロについて、マグニチュード7.4程度の地震が発生する確率が約0.6%と評価されています。また、2011年9月に88名死者を出した紀伊半島大豪雨から約15年が経ちます。深層崩壊も改めて、全国でも非常な注目されました。
災害がいつ起こるか分からないという中で様々な防災減災対策を進めていく必要があります。本年7月28日に発生した熊本県内の地震では、マグニチュード7.1、震源の深さ16キロ。熊本県内では平成28年4月の熊本地震以来、十年三か月ぶりの震度7を観測する地震となりました。全国からこの被災地への支援活動が行われています。奈良県からも、8/21時点で対口支援チーム、保健師、県技術職員、DMAT、DPAT、介護職員などが派遣されています。特別警邏部隊の派遣も警察から行われています。現地で活動されている皆様に敬意を表します。医療等の派遣チームの報告会は新聞等で確認しているが、危機管理所管、対口支援チームの活動状況と報告について、現在どのように進めているのか伺います。
【防災統括室長】 現在、対口支援として熊本県宇城市にチームを派遣しています。主な業務は、罹災証明書の交付業務と建物被害調査の2つです。 罹災証明書の交付業務については、8月3日に第1班を派遣して以降、9月25日までに第9班、計58名を派遣しています。建物被害調査については、8月12日に第1班を派遣して以降、第9班まで計54名を派遣しており、9月26日から第10班を派遣しています。
【質問】 派遣から戻った職員から、どのような課題があったのか、今後奈良県でどのような取り組みが必要なのか、総括的な協議を行っているのか伺います。
【防災統括室長】 現在も派遣中であるため、総括的な議論は行っていません。 現地では、全国から派遣チームが集まるため、それらをいかに効率よく調整するかが課題だと感じています。また、避難所の環境整備も大きな課題です。今回は酷暑の中での災害対応となり、避難所以外で避難している方々の状況把握にも課題があると認識しています。
【質問】 交代制で派遣している。つまり、帰ってこられた方がおられた中で、総括的な課題を見出して、 今後このような取り組みを奈良県にしないといけなければならないという反省はされていると。いわゆる反省、報告会みたいなものはされているということで、理解していいか。
【防災統括室長】 毎週、現地に派遣しているチームと情報交換を行っています。また、関西広域連合でも派遣チームに関する議論を行っています。 対口支援が一定の段階を終えた時点で、今回の派遣についてしっかりと振り返り、今後の取り組みに生かしていきます。
【要望】 派遣終了後に報告会を開き、課題と今後の取り組みを整理することは、奈良県が被災した際にも役立つ重要な資料になります。派遣期間の終了を待つのではなく、活動中からその日の課題を整理することが重要です。早急に報告会を開催し、その内容を資料として総務警察委員会にも提出していただくよう要望します。
【質問】 次に、避難所について伺います。避難所は市町村が主体となって運営するものですが、県としても側面的な支援が必要です。奈良県内では、小・中学校の体育館などで空調設備が未設置の施設が多いと聞いています。近年の厳しい暑さを考えると、避難所での熱中症対策は重要です。また、熊本県では、母子避難所の必要性も新聞報道がありました。氷川町において断水や停電によってミルクが作れない、沐浴ができないといった課題があり、DMATが専用避難所の開設を提案したと報じられています。
さらに、外国人住民への避難所情報の提供も課題です。熊本県の19市町村のうちのインターネット上で、外国人に特化して情報発信している自治体が熊本市、八代市、菊陽町の三市町にとどまることがわかったと報道がありました。避難所に身を寄せたものの言葉の壁によって、必要な情報を十分に得られないケースがあり課題となっています。
奈良県では外国人の観光客が非常に多いということで、外国人観光客に向けた様々な対応策も重要になってきます。観光局の所管とはなるが。避難所について、県の考えを伺います。
【防災統括室長】 避難所は市町村が指定するもので、県内には1,143か所あります。避難所の環境整備は重要であり、県では国の補助金を活用して、令和7年度に仮設水洗トイレ50基、段ボールベッド1,300台、パーティション1,300枚を確保しました。
今年度はさらなる環境の充実を図るため、電源や空調を確保するための蓄電機、スポットクーラー、スポットヒーターなどを備えたコンテナセットを20セット程度整備する予定です。このコンテナセットは移動が可能で、コンテナ自体を授乳室や休憩室などに利用することも想定しています。被害状況に応じて市町村などに配置し、県全体の避難所環境の改善を図ってまいります。
【要望】 県が避難所の環境整備について主体性を持って、市町村と連携して取り組むことが重要です。引き続き、市町村とともに避難所の環境整備を進めていただくよう要望します。今後も災害対策に全力で取り組んでいただくことを重ねてお願いし、質問を終わります。



